NEWS

お知らせ

2026.07.15
お知らせ

パーソルイノベーション、パーソル総合研究所、早稲田大学 長内研究室との共同研究 企業変革を支える人材成長の新構造を解明 「二流路型リスキリング」理論を初提示

ー企業のリスキリングは「2つの成長ルート」で動いていた プロ文系人材とプロ理系人材の道ー

パーソルイノベーション株式会社(東京都港区、代表取締役社長:大浦征也)と株式会社パーソル総合研究所(東京都江東区、代表取締役社長:岩田亮)、早稲田大学 商学学術院 長内厚教授の研究チームは、企業のリスキリングが「2つの成長ルート」から成り立つ構造であることを明らかにし、新理論「二流路型リスキリング」として初めて体系化しました。

本研究は、2026年6月20日(土)・21日(日)に開催された組織学会研究発表大会にて発表されました。

これまでリスキリングは「高度人材の育成」が中心に語られてきましたが、本研究により、企業の実態はそれだけではなく、

① 少数のエース人材と言われるプロ文系人材を生み出す成長ルート

② 多くの社員が新業務へ適応していく(プロ理系人材)成長ルート

の2つが同時に機能していることが明らかになりました。この発見は、AI時代における企業変革の“人材の動き方”を解き明かすものであり、今後の人材戦略の前提を大きく変える重要な知見となります。

media-34-1

発表概要

 

学会名  :2026年度 組織学会 研究発表大会

開催日  :2026年6月20日(土)~21日(日)

開催校  :関西学院大学(西宮上ケ原キャンパス)

発表形式 :口頭発表

発表タイトル:「事業変革期におけるリスキリングの実態 -二流路型人材形成-」

発表者  :長内 厚(早稲田大学)、柿内 秀賢※、清水 さやか(パーソルイノベーション株式会社)

※2026年4月よりパーソル総合研究所所属

研究の背景:リスキリングは“なぜ機能しているのか”が不明だった

近年、多くの企業がデジタル化やAI導入に伴う事業変革に直面し、リスキリングへの投資が加速しています。

一方で、どのような人材が変革を担うのか学びがどのように業務成果に結びつくのかといった根本的な構造は十分に解明されていませんでした。

本研究は、この“ブラックボックス”に踏み込み、リスキリングが機能する仕組みを明らかにすることを目的としました。

概要

2025年10月、大手製造業2社の人事部門を対象に、AI・デジタル化を背景としたリスキリングと人材再配置の実態に関する半構造化インタビューを実施。いずれもAI・デジタル化を背景に大規模な人材再配置と社員のリスキリングを進めている企業であり、リスキリングの実態分析に適したケースです。

分析結果:社員のリスキリングを通じた企業の成長は「2つのルート」であった 

① プロ文系人材育成ルート(飛躍型成長)

新規事業や戦略転換を担う高度人材がリスキリングを通じて成長しているが、その数は限定的。

 

② プロ理系人材育成ルート(適応型成長)

多くの社員は、既存スキルを活かしながら近接領域へ移行。
企業全体の変化を支える“量の成長”を担っている。そしてAI時代に拡大する「中間スキル層」は、AIの普及により、出力の検証・調整・管理といった新たな業務が増加しているため、これにより、高度専門人材だけでなく、一定のスキルで活躍する人材層の重要性が急速に高まっていることが確認されました。

 

新理論「二流路型リスキリング」とは

本研究では、企業の人材成長を以下の2つの流れとして定義しました。

  • 少数の高度人材を生み出すルート(プロ文系人材)
  • 多数の社員を新業務へ移行させるルート(プロ理系人材)

この2つが同時に進むことで、企業の変革が実現されるという構造を、初めて理論として体系化しました。

 

本研究の意義

これまでのリスキリングは「高度人材育成」という単線的な理解に留まっていました。

しかし本研究により、企業変革は、「一部の優秀人材」だけではなく、「組織全体の適応」によって支えられていることが明らかになりました。これは、人材戦略・教育投資・組織設計において大きな転換を迫る知見です。

 

今後の展望

今後は、

  • 二流路構造と企業業績の関係の定量分析
  • 自律成長型プラットフォームへの実装

を通じ、個人と組織の成長をデータとして可視化・運用できる仕組みの構築を進めていきます。