CASE STUDY

導入事例

【公開日】2023.8.8
導入企業インタビュー

テクノロジーの急速な進歩に応じられる、新たな人材育成の形とは

日本を代表する独立系の大手システムインテグレーターの富士ソフト株式会社では、独立系ベンダーの強みを生かして4大パブリッククラウドをはじめとする多くのクラウドメーカー製品を扱い、お客様のニーズに対する最適なソリューションの提供に日々取り組んでいます。同社のMS事業部では、Microsoft製品を中心とする先端テクノロジーを使用したソリュ―ションを提供。コンサルティングからシステム開発、運用保守まで一気通貫でお客様に寄り添った支援を行っています。

昨今の急速なITの発展により、お客様のニーズが目まぐるしく変化し高度な品質が求められる中で、同社は高い成長率を維持しています。MS事業部では事業拡大に伴うPMの増員とスキルの向上、そしてお客様に最適な支援を行うための先端テクノロジー人材の育成が急務でした。

その解決策として、「資格取得を基点とするIT人材育成」と「経験則に依存しない体系的なPM育成」を目指し、ビジネス拡大と顧客満足度の向上に精力的に取り組んでいます。

導入前の課題
  • 広範なMicrosoftサービスをカバーする知識と技術力がなければ、多様なお客様のご要望にお応えすることができない。またサービスの急速な進化にキャッチアップして、知識をアップデートしていく必要もある。
  • お客様により満足いただけるサービスを提供するには、プロジェクトの実行力だけでなく、案件化につながる顧客折衝能力も重要になってきた。
  • 社内研修制度はあるが全社を対象にしたものであり、MS事業部が必要とする最新の情報で効率的に人材育成と組織開発を行うための体系的なカリキュラムと体制が必要だった。
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解決策(研修実施内容)
  • MS事業部が目指す事業方針や育成計画をふまえ、対象となる受講者のレベルやニーズに合わせて最適なカリキュラムを設計。最新スキル領域の教材も豊富なUdemyを活用して、先端テクノロジーを学べる体系的な仕組みを用意。
  • PMに必要な思考を鍛える「PMコーチング+(プラス)」を活用。
    個人の経験則だけに依存するのではなく、Udemy教材を使った体系的なPM知識のインプットと、スキルの定着を図るためのアウトプットを実践的に学習。コーチングによる対話や他の受講生との相互学習などを通じて共通認識を深め、PM的思考を体得。
  • 業務しながら資格合格にコミットできる「デジタル資格取得ブートキャンプ」を導入し、Microsoft Azureの各種資格取得に向けた学習とスキル習得を紐付け。社内人事制度においても資格保有とキャリアアップを連動させ、自発的に取り組める環境を整備。
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導入した効果
  • 常に最新技術の知識・スキルをキャッチアップできる環境が整った。
  • 資格取得を通じてスキルの習得と見える化が進んだ。スキルを身につけた自信から顧客対応力が向上し、お客様からの高い評価が得られるようになった。
  • PM人材の育成と増員が進み、PM同士の相互連携が生まれた。
  • 最新技術に合わせたPMのスキルや思考法を学んだことで、不確実性が高いDXについての会話や提案もできるようになってきた。
  • 資格取得やスキル習得に対してあまり意欲がなく受け身がちだった社員も自ら取り組むようになり、学びの習慣化が広がっている。
fujisoft_logo
企業名
富士ソフト株式会社
社員数
単体 8,847名、グループ 17,002名(2023年3月末)

お客様インタビュー

━ これまでに「 デジタル資格取得ブートキャンプ」「PMコーチング+(プラス)」の2つのプログラム をご利用いただいていますが、導入に至る背景をお聞かせください。

 

阿部氏:まず資格の話ですが、「デジタル資格取得ブートキャンプ」の導入には、ベテランと若手の間でITスキルの格差が目立っていたという背景がありました。

ここ数年、富士ソフトには毎年約800人が入社しており、社員構成では若手の占める割合が大きくなっています。お客様のDXを支援するためには「全員がMicrosoft製品のスペシャリスト」を目指してスキルの底上げが必要でした。

 

Microsoft社が提供するオンライン学習サービスもありますが、最新技術を独学で学習するには難易度が高いと感じていました。

 

また、Microsoft製品はインフラ周りのActive Directory(アクティブディレクトリ)やMicrosoft Azureのクラウド、AIサービスまで幅広いのが特長です。広範囲の知識を習得し、お客様のご要望に応えられる人材の育成方法を模索していました。

 

横溝氏:当社ではMicrosoftを活用したビジネスを戦略的に拡大していくにあたって、特にPM人材の育成と増員が急務となっていました。

 

プロジェクトの規模が大きくなるにつれて、PMに求められる業務や役割が高度化します。お客様に満足いただけるサービスを安定的に提供するには、プロジェクト推進力だけでなく、お客様の要望を適切に理解し案件化につなげる顧客折衝能力の向上が必須でした。

 

ITの進化が目まぐるしい昨今、PMが継続的にプロジェクトを牽引するには、お客様との会話を通して計画をすり合わせするだけでなく、一歩先を汲み取り、プロジェクトに反映できるかどうかが重要になっています。

 

MS事業部は技術力の高い人材は多いのですが、AIやDXなどの最新技術のトレンドに合わせたプロジェクトマネジメント能力の習得が追いついておらず、自社の研修や教育だけでは補いきれていないという課題感を持っていました。

課題の解決策として自社教育やOJTではなく、外部研修サービス「学びのコーチ」を選ばれた経緯を教えてください。

03_阿部様_単独お写真 (1)

阿部氏:まず最新テクノロジー対応については、IT人材育成と個々のスキルアップのために、決まった時間の集合型研修ではなく、フレキシブルに学べる環境と柔軟なカリキュラムを用意したかったという点がありました。

スキルを底上げするためには全員が同じ内容を学習するのではなく、各々で補強すべきポイントを押さええた方が効率的です。「学びのコーチ」では、当社の方針や事業内容に合わせて適切なカリキュラムを組んでいただけるのが利点だと感じました。

 

横溝氏デジタル資格取得ブートキャンプ」を導入した背景には、スキルアップのための資格取得を推進したいという思いもありました。ただ、日々忙しくしている現場のメンバーが通常業務を行いながら本当に学習できるのかと不安な気持ちもありました。

 

PM育成については、MS事業部が求めるものに対し、全社向けの社内研修だけではカバーしきれない部分がありました。PMというポジションは属人化しやすく、スキルアップも経験則に依存しがちです。質の高いPM育成と増員に向けて、経験だけに頼らず体系的に学べるカリキュラムが必要だと考えました。

 

IT人材の育成のために「資格の取得」にこだわった理由はありますか?

 

阿部氏まず、資格を取得することによって、スキルの習得と維持が見込めることです。

 

また、資格を保有していることがスキルの見える化に繋がり、お客様の信頼向上につながります。

 

Microsoft製品を活用するお客様にとって、資格を保有する社員の割合が高いことは、ビジネスパートナーを選ぶ時の評価ポイントの一つになります。Microsoft社からのパートナー認定の基準にもなるため、資格の取得に重きをおきました。

「デジタル資格ブートキャンプ」を導入後、通常業務をこなしながらも資格取得の件数が上がってきているとお伺いしております。秘訣は何でしょうか?

03_横溝様_単独お写真 (1)

横溝氏:受け身だった社員の姿勢が、自ら学ぼうとする姿勢に変わってきたことが大きいと感じています。

 

これまでは会社側から指定してプログラム言語の研修を受けさせたり、「資格を取りなさい」「勉強を頑張りなさい」と促したりしていたため、社員が受け身にならざるを得ない面がありました。そこで、社員が「今身につけておくべき分野」や「近い将来問われるスキル」など、本人たちに資格取得の必要性を強く感じてもらえるようなカリキュラムを選択するようにしました。

 

「学びのコーチ」を通じて体系的に学べる仕組みを用意したことで、受講者それぞれが学習習慣や資格取得のノウハウを身につける環境ができ、自ずと「自分のキャリアのために資格を取る」という意識が出てきたように思います。


阿部氏:また会社としても、資格を取得することで社内の評価が上がりキャリアアップにつながる、という人事制度の仕組みを設けていることも、資格取得件数増加の後押しになっているのでしょう。

 

「PMコーチング+(プラス)」の活用を経て、PMの育成と増員のご状況はいかがでしょうか?

 

横溝氏PMの数が増え、知識や技術力も向上し、能動的に取り組む姿勢が身につくことで安定したプロジェクト運営ができるようになってきました。

 

カリキュラムの中にPM同士の相互学習があったことで、横の繋がりができたように見えます。これまでは「自分がどのようにマネジメントするか」の視点だけでしたが、「他のプロジェクトはどのようにマネジメントしているか」まで視野が広がってきています。疑問を一人で抱え込んでしまっていたことも多かったかもしれませんが、他のPMと繋がったことで各々のプロジェクトについて話し合ったり、お互いに様々なアドバイスができるようになり、共通認識が深まるだけでなく、業務の効率化にも繋がっていると感じています。

 

学びのコーチは「伴走型のコーチング」を強みとしています。伴走コーチングスタイルの感想をお聞かせください。

 

横溝氏:約3ヶ月間の1クール全体と、その中の各テーマにおいて、成長した箇所やつまずきの要因など、コーチの方から受講者一人ひとりに対しての報告があります。研修を受けっぱなしではなく、それぞれに適したアドバイスがもらえるので、効率的に学習できていると思います。

「学びのコーチ」を2022年1月から長くご利用いただいていますが、導入後の変化やご評価いただいている部分を教えてください。

03_インタビュー中お二人 (1)

横溝氏:やはり、スキル習得に対して受動的だった社員の姿勢が能動的になったのが一番の変化かと思います。

 

「学びのコーチ」は、Udemyのサービスも利用しているため、コンテンツが充実している点がありがたいと感じています。サービスの活用を経て当社の課題解決が上手くいっていることもあり、継続利用しています。

 

阿部氏:「学びのコーチ」を受講した社員を見ていると、スキルの習得が自信に繋がっているように見えます。最近ではお客様から評価いただいたり、感謝状をいただいたりすることも多くなってきました。お客様への対応力が上がっている証拠でしょう。

 

昨今のIT発展と併せてMicrosoftのテクノロジーも日々進化しています。そこに追走するために、常に学習しつづける習慣ができたと思います。研修の結果、不確実性のあるDXの話もできる社員が増えてきました。

 

「学びのコーチ」は、単に知識や技術の習得だけでなく、ビジネスマナーやロジカルシンキングなども学習ができるほどコンテンツが豊富で、強化したい部分を重点的に学べるところが利点だと思っています。

 

今後の展望と「学びのコーチ」に対する将来的なリクエストがあればお聞かせください。

 

横溝氏:当社にもインフラ面の新人教育のカリキュラムはありますが、Microsoft製品を活用したビジネスのテクノロジーにおける言語やAI、先端技術についてのカリキュラムはまだ満足に至っておりません。

 

今後、先端技術への関心が高い社員への教育には、新しい分野の教材が豊富なUdemy Businessのコンテンツをベースにカリキュラムを組むのが最適な選択かと思っています。

 

阿部氏:OpenAIやデータ活用やデータガバナンスの領域を強化し、コンサルティング業務を推進していきたいと考えております。

 

特にAIの分野においては、そのテクノロジーをどう使うか、どのように活用すべきかがポイントです。私たちの役目は、テクノロジーを駆使してお客様の事業を支援することです。先端テクノロジーを駆使し、最適なソリューションを提案できるコンサルティング能力を強化するためには、エンジニア層も変えていく必要があります。今後、その分野についてもご支援いただきたいと思っています。

 

━ 本日は貴重なお話、ありがとうございました

阿部様_プロフィールお写真
阿部 和夫 様
富士ソフト株式会社
ソリューション事業本部
MS事業部
事業部長
02_横溝様_プロフィールお写真
横溝 尚己 様
富士ソフト株式会社
ソリューション事業本部
MS事業部
デジタルコラボレーショングループ 課長
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